Site Meter
【産業動向】CSP主要8社の26年設備投資見通し、前年比61%増の7100億米ドルに上方修正 TrendForce
2026-03-05 12:09:51
調査会社TrendForceは2026年2月25日付レポートで、クラウドサービスプロバイダ(CSP)主要8社の2026年設備投資見通しを、前年比61%増の7100億米ドルに上方修正した。AI(人工知能)アプリケーションの導入とアップグレードを加速するため、CSP各社がAIサーバー及び関連インフラへの投資を継続的に拡大していることを理由に挙げた。


TrendForceがCSP主要8社の26年設備投資見通しを上方修正するのは今回で2回目。25年11月6日にも、AIインフラの長期的な成長先行きを楽観したCSP各社が積極的な投資規模を維持することが予想されるとし、それまで前年比24%増の5200億米ドルとしていた見通しを、前年比40%増の6000億米ドル超に上方修正している。

TrendForceによると、CSP主要8社は米グーグル(Google)、米アマゾン(Amazon)、米メタ(Meta)、米マイクロソフト(Microsoft)、米オラクル(Oracle)、中国テンセント(Tencent=騰訊)、中国アリババ(Alibaba=阿里巴巴)、中国バイドゥ(Baidu=百度)。レポートは、この8社が米エヌビディア(NVIDIA)及び米AMDのGPUソリューションを引き続き調達する一方、ASICインフラの導入も拡大し、AIアプリケーションの最適化とデータセンター構築のコスト効率向上を図っているとしている。

うち、米国系CSPの設備投資についてTrendForceは、グーグルの2026年設備投資は1783億米ドルを超え、前年比95%増に達する見込みだとした。他のCSPに先駆けて自社開発ASICへ投資する等、研究・開発(R&D)面で優位性を築いており、26年には独自ASIC新世代「TPU v8」への移行開始が予想されると指摘。これにより、グーグルのAIサーバー出荷に占めるTPU搭載型比率は26年、約78%に達し、GPU型を大きく上回る見通しで、ASIC比率がGPUを上回るのは主要CSPの中でグーグルのみだとした。

アマゾンについては、AI学習・推論需要の拡張に備え、高消費電力・高密度GPU基盤への移行を加速するため、直近ではエヌビディアのAIスーパーチップ「GB300」と次世代「V200」搭載サーバーラックシステムの調達規模を上方修正したとし、26年にはGPU機種が同社AIサーバーの約60%を占める見込みだと指摘。自社ASICでは、次世代「Trainium 3」を26年第2四半期(4〜6月)以降に量産化する予定だが、ソフトウェアの成熟度や検証工程の進展次第で、本格的な出荷拡大は26年下半期にずれ込む可能性もあるとした。

メタについては、26年の設備投資が前年比77%増の1245億米ドル超に達すると予想した。AIサーバーは引き続きエヌビディアやAMD製GPU型が中心で、GPU型比率が80%以上を維持する見込みだと指摘。一方、同社は単位演算コスト低減とサプライヤーに対する依存を分散するため、自社ASICを推進しているが、メタのASIC「MTIA」はソフト・ハード統合の最適化に時間を要しており、実際の出荷は当初計画からずれ込む恐れがあるとした。

マイクロソフトについては、大規模言語モデル(LLM)の学習・推論需要を長期的に有望視し、エヌビディア製サーバーラックソリューションを中心にAIサーバーを拡充している他、自社開発チップ「Maia 200」も発表し、高効率AI推論用途を狙っているとした。

オラクルについては、「Stargate Project(スターゲート計画)」や米オープンAI(OpenAI)関連のAIデータセンター拡張計画に対応し、GPUベースのシステム構築を加速しているとした。

中国勢では主要8社以外のバイトダンス(ByteDance)について、2026年の設備投資の詳細を公表していないが、設備投資の半数以上をAIチップ関連調達に振り向けると予想。エヌビディアH200が主力候補だが、米中当局の審査の影響を受ける見込みであることから、Cambricon(寒武紀)をはじめとする国産AIチップの導入も同時に拡大しているとした。

テンセントについては、外部からのGPU調達を続けつつ、通信・データセンター基盤向けASICを地場企業と共同開発する等、多様化を図っているとした。

アリババとバイドゥについては、自社ASIC開発を強化していると指摘。アリババはIC設計のT-head(平頭哥)、クラウド基盤、LLM「Qwen(通義)」といった自社傘下の企業者サービスを軸に、自社・企業・消費者向けAIサービスを展開しているとした。

バイドゥについては、2026年以降、新型「Kunlun」シリーズを段階導入し、大規模学習・推論用途に対応する計画であるとし、AIサーバークラスター「天池」構想では数百個規模のAIチップ接続を視野に入れ、演算能力の拡張を狙っているとした。

【関連情報】

【産業動向】CSP 8社の2026年設備投資見通し、24%増から40%増の6000億米ドルに上方修正 TrendForce調査
【産業動向】2026年のAIサーバー出荷、前年比28%増 サーバー全体も12.8%増 TrendForce見通し
【半導体】アーム出資の台湾IC設計企業に市場注目 画像処理SoCのQBit Semiconductor
【産業動向】アリババCEO、「AIバブル、今後3年考えにくい」

中国・台湾市場調査ならEMSOneにご用命ください。台湾のシンクタンク、TRI社との共同調査にて、最新の情報をお届けいたします。 先ずはこちらまでご相談ください。

※EMSOneでは日系企業様に向け、コストダウンに向けた各種アウトソーシングサービスの提案を行っています。EMS或いはODMを通じたコストダウンについては こちらをご覧ください。